サウナとの出会い ベルギーで『整う』
25年ほど前に、仕事でヨーロッパのベルギー国に駐在する機会があり、その後、通算で10年ほど生活していました。
ベルギー国は、人口は約1000万人ほどで、西南はフランス、東はドイツ、北はオランダに囲まれた「九州」と同じくらいの面積の国です。
ヨーロッパのほぼ中央にあり、EU本部が置かれている事、チョコレートやワッフルでも有名な小国です。
駐在員生活の中後半は単身赴任でしたので、週末はゴルフが出来れば救われますが、そうでなければ暇を持て余す事が多く、ジムに通ったり、書道を習ってみたりする中で、『サウナ』と出会いました。
『サウナ』そのものは、幼少期に従兄に連れられて何回か行ったことはありましたが、正直言って子供には何が楽しいか分かりません。大きな銭湯という印象でした。
ベルギーのアパートから徒歩5分くらいの所に公共施設(市民会館?)があり、スイミングプールやスポーツジムと一緒にサウナがあり、そこで初めて『整い』、私のサウナ好きが始まりました。
ベルギーのサウナ事情とゲイ
公共施設のサウナの使い方を聞いてみると、入浴料は一人1ユーロ(120円くらい)で、制限時間はありません。
平日は、曜日や時間帯により男女が分かれていて、例えば月曜日の午後は男、夜は女。火曜日の午後は女、夜は男という具合でした。週末は男女混浴です。
私の通っていたサウナは、平日は素っ裸ですが、混浴の日は水着を着ていました。しかし、これは珍しい方で、一般的に混浴でも男女は素っ裸のサウナが普通です。
老若問わず女性も素っ裸で、タオルで隠したりせずに堂々とサウナを楽しむ姿は、目のやり場に困ります。そのうち、気にならなくなると言われましたが、私は最後まで慣れませんでした。
今は中国の広州で駐在員している友人Mは、若い女性の多いサウナを見つけて、「ウハウハ」言いながら通っていましたが。。。
サウナ好きが高じて、仕事を早く終えて平日の夕方からサウナでデトックス(解毒)を楽しむようになった頃、ちょとした経験をしました。
私の通うサウナは、熱波タイプとミストタイプがあり、どちらかと言うとミストサウナの方が好みでした。いわゆる水蒸気風呂というヤツです。ちなみに、江戸時代以前は「風呂」と言うと「蒸し風呂」の事だそうです。
そのミストサウナでデトックスしていると、たまに現地の人(ベルギー人)が声を掛けてくれる事があり、他愛もない話をしてサウナタイムを共有するのですが、その日も、ヒゲを蓄えた紳士(?)が声を掛けてきました。私はサウナのひな壇の上の方にいたのですが、その紳士は入口付近に座っていました。
ミストサウナの熱い霧の中で汗を流している訳ですが、ふと気づくと、その紳士は、ひな壇の中間くらいの位置に移動していました。
相変わらず、何処から来たのだとか? どんな仕事をしているのだとか? 私に聞いたり、自分の事を話していました。
「気さくな人だなぁ」と思って、適当に答えていましたが、ふと気づくと私の横に座っているではありませんか。水蒸気の霧の中とは言え、少しビックリした訳ですが、急に態度を変えるのも如何なものか?という気まずい気持ちで座っていたら、今度は彼の足スネを私の足に擦り付けてきました。積極的です。。。
その気が無い私は、早々にミストサウナを出て熱波サウナに移動し、事なきを得た訳ですが、50歳近くになって初めての体験であり、貴重な経験(?)をさせてもらいました。この経験を友人に話したところ、海外生活では「結構あるある」という事でした。。。
サウナで『整う』という感覚 私の場合
高温サウナで身体を熱し、極限に達したところで水風呂で身体を一気に冷やす。
これを数回続けて、程よい疲労を感じながら身体を休めていると、何とも言えない『幸福感』に満たされる。。。これが『整う』という状態だそうです。つまり、『恍惚感=エクスタシー』の状態になることが『整う』という事と私は解釈しています。
ベルギーのサウナにも水風呂はありましたが、サウナ初心者の私は冷たい水に浸かる意味が分からず、木と竹で作られた3段ベッドで横になって休んでいました。
程よい疲労から睡魔に勝てずに、うとうとと眠ってしまう訳ですが、その眠りから目覚めた時に『何とも言えない幸福感』を感じたのがサウナにハマってしまった切っ掛けでした。この感覚が、恐らく『整う』という事だと思います。
『整う』という言葉を知ったのは、日本に帰国してからですが、『エクスタシー』とは言わず、『整う』という日本語は素晴らしい感性だと思います。
モロッコミントティ(茶) サウナの名わき役
ベルギーで私の通っていたサウナには、管理人の小母さんがいました。
その方は、中近東出身らしい風貌と服装で、サウナでサービスとしてお茶を出してくれていました。
アラビア風の形をしたティーポットに、鮮やかな赤や緑色の下地に金色の縞模様の入ったグラスで飲むお茶は、味と香りが強く癖がありましたが、飲みなれてくると『整う』時の名わき役として、欠かせないツールとなりました。
結構、強い香りと苦みのあるお茶なのですが、角砂糖を何個か入れて飲みます。
高温サウナで汗を大量に流して喉が渇いたところに、このお茶の苦みと砂糖の甘みと鼻孔をくすぐる香りが、何とも言えない『幸福感』を演出してくれます。
夏の熱い風呂の後や、サウナの後にモロッコティ、是非とも一度お試しください。
心に穏やかな時間が流れるかもしれません。お勧めです!
ロウリュー サウナの名わき役
「ロウリュー」は、日本に帰国して、日本のサウナに行ったときに初めて体験しました。
そのサウナは、1時間に1回、「ロウリューサービス」があり、時間になると係員がバスタオルと桶に入った水を持ってサウナに入ってきます。
熱波を効率よく出すために、サウナの扉を開けて空気を入れ替えます。
その間、係員のインストラクトに従い、軽く体操をしながら心と身体の準備をします。
「ロウリュー」は、精霊の息吹を頂く、聖なる儀式なのです。
体操が終わると、換気していた扉を閉めて、熱した石(サウナストーン)に桶から柄杓で水をかけ、一気に蒸気を上げます。水にはミントやレモン等の柑橘系の香りが付いていて、部屋中に香りと熱気が拡がります。一気に汗が出ます。
そして、係員が1人1人にバスタオルを煽って熱波を浴びせるのが「ロウリュー」です。
前面から一回、後ろ向きになって一回、「オカワリ」が欲しい人は、もう一回。
計3回の「ロウリュー」を頂き、その都度に客は係員に頭を下げて御礼します。
不思議な光景ですが、みんなとても満足そうな表情をしています。
「ロウリュー」もまた、サウナの重要な楽しみの一つです。
デトックス 解毒ということ
ふとリラックスしたいと思った時、サウナに行きます。
程よい疲労感と幸福感で、身体と心に溜まった灰汁(アク)を抜く解毒が、安価で簡単にできるのは、心豊かなシニアライフを目指す私にとって、欠かせない時間の一つです。
タバコを吸っていた頃、サウナを楽しんで帰る際に、下着のシャツを着るとタバコのヤニ臭さにビックリする事がありました。
普段は気づきませんが、下着や服にタバコの臭いが染みついていて、それがサウナで鼻腔がデトックスされることにより、改めてタバコのヤニ臭さに気づかされる訳です。
その後、タバコを止めて20年経つ中で、タバコを再び吸いたいと一度も思わないのは、タバコのヤニ臭さを敏感に感じ取れるからだと思います。
タバコを止めようと思っても、なかなか止められない人は、サウナでデトックスすることで、タバコの嫌な臭いを再認識するのが、タバコを止める第一歩となるかもしれません。
今回は以上です。最後まで見てくれた方、ありがとうございます。
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